ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション ブルーノ・ガンツ オリヴァー・ヒルシュビーゲル アレクサンドラ・マリア・ララ 日活 2006-01-14 |
ヒトラーの女性秘書を3年間務めたトラウドゥル・ユンゲの証言を元にドイツ・オーストリア・イタリアで共同制作されたドキュメンタリー風映画。
言うまでもなく有名なヒトラーだが、この映画で新しく知ることが多々あった。時間は2時間を越えてやや冗長だが全体として興味深いものだった。
この映画から独裁者という集団の上に立つ人の行動は、実は現代のビジネスでも当てはまると思った。
ヒトラーは現場の戦力をあまり理解しておらず、部隊が戦闘能力がないにもかかわらず、攻撃命令をだしたり、それが実現できない場合は担当官を責めまくっていた。確かに精神面の活力・統制ということで現場の指揮をたかめるために、前向きなある意味宗教的な意志コントロールは必要だろう。だが、それと戦略面での冷静な現状分析は別である。
ビジネスでも上司は現場の状況を知ろうともせず、一般論や知識のみで売上げ目標を掲げ、達成できない部下を叱責し、「やる気があれば達成できる!」と声たからかに励ます。また、「達成できない」という現場の冷静な判断も弱気で後ろ向きな態度としてマイナス評価をする。こうなると回りは「イエスマン」ばかりになり、結局は最悪の状況までビジネスは放置される。
ヒトラー自身は自殺という形である意味責任を取ったが、自分を選んだ国民もそれ相応の責任(死)は当たり前と思っていた。
会社でも失敗したらこれまでの言葉とは手のひらを返したように部下にも責任を取らせる上長も多々見受けられる。
権力を持つということについて再度考えた。また、政治家を選ぶにも国民一人ひとりがきちんと判断しなければならないことをあらためて感じた。
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